水永 政志
入門 ベンチャーファイナンス―会社設立・公開・売却の実践知識
体裁の感じより中身は読みやすい。特に、著者が東大在学中に設立、経営、そして売却したソフトウェアの受託開発会社の話が冒頭に出てきて、ストーリーがあることが無味乾燥になりがちなファイナンス本を身近にしている。
表題が硬いので、構えて読み始めたが、表題とは反し、中身はかなり読みやすい。ベンチャー志向の人向けの本というよりは、会社の機能を勉強したい人一般にとってのよい教科書という印象である。この本では、ビジネスモデルの構築、会社の設立から株式上場、資本政策、さらには売却までそれぞれの要点をまとめており、会社とはなんぞやというビッグピクチャーを勉強できる良書である。さすがに各論についての深い記述はないが、個別に補強したい知識については、個別の専門書をさらに読み込むというイメージだろう。かつて留学時に習ったようなことが随所に書かれており、「ああ、こんな概念も昔習ったなあ」「なつかしいなあ」などと古い知識を呼び覚ましながら読み進めることができた。
筆者が
企業、起業、企業金融について、会社を創って、上場させて、売る、という流れで明解な説明が展開されている。理論と現実の本質を解りやすく書いている。ハウツー本は会社法や銀行との実務を紹介するだけだが、この本は、起業と企業金融の行動原理を踏まえて、理詰めで説明している。なぜ出資と融資が必要か、なぜ銀行は担保を取りたがるのか、なぜベンチャーオーナーは子会社を創りたがるのか、なぜサラリーマン社長は株式持ち合いをやりたがるのか、なぜ取締役が社長の部下になってしまうのか、といった問題も、企業金融やコーポレートガバナンスの本質を踏まえた上で説明されている。思考センスの良い人が、理論を熟知した上で現実を観察し、平易に解説した本である。
大学の講義をまとめた本ということで、肩に力を入れて読み始めましたが、実際はわかりやすい説明と、経営者として視点のおもしろさに、あっという間に読み進めました。
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売れ筋商品
このページの情報は 2006年7月15日17時36分 時点のものです。 |



